ドグマチールとプリンペランは母乳分泌の目的で投与されるものではない
記事公開日 / 更新日:2019年08月23日
ご相談の内容
このサイト「母乳が出ない母乳不足の方へ・おっぱいをたくさん出すママになるには」の中の記事、「母乳を出す薬のドグマチールかプリンぺランを医師の指導で服用」についてご質問があります。
私は出産後24日の新米ママですが、初乳も一滴も出ず母乳が一切出ない状態で非常に悩んでいます。
桶谷式の母乳相談室には3つの院に行きましたが母乳は出ず、大学病院の乳腺科でエコーを撮ってもらったのですが、「乳腺の機能が弱くて母乳が作られにくいかも」、という診断のみで、母乳が出るようになるための治療は受けられていません。
このサイトに記載があった、投薬による治療を藁にもすがる思いでやりたいと思っています。
数件の病院に電話をして「ドグマチールとプリンぺランの処方はして貰えるか?」と聞いたら、「処方出来ません」と断られてしまいました。
どうしたらいいのか分からず、質問をさせていただきます。
ドグマチール、プリンぺラン、オキシトシンの投薬をしていただける病院をご存知でしたら、教えていただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします。
出産からまだまだ日も浅いなか、毎日赤ちゃんのお世話お疲れ様です。
その中でも、赤ちゃんに母乳をあげたいけれど、物理的にもおっぱいが出にくいことが分かり、お辛い日々を過ごされているのですね。
看護師ママのユリからのアドバイスをお伝えします。
かかりつけではない病院では治療に関しては教えて貰えません

治療に関して
教えない病院
薬物治療を受けたいけれど、病院への問い合わせでは出来ないと断られてしまったとのこと。
残念ですが、かかりつけではない病院に突然治療についての問い合わせをしても、可能かどうかについては教えて貰えないと思います。
ドグマチールとプリンペランは本来母乳分泌目的の処方箋ではありません
特に、質問にあったドグマチールとプリンペランの処方についてですが、この二つの薬剤は本来は母乳分泌促進が目的で投与されるものではありません。
ドグマチールはそもそも、抗うつ薬として用いられていますし、プリンペランも本来は消化器機能異常の治療に用いられるお薬です。
母乳分泌促進に利用される場合は、これらの薬剤において本来は「副作用」とされている、乳汁分泌促進や、プロラクチン値を上昇させるという作用を逆手に取った治療となりますので、産科医としての豊富な経験や母乳育児推進でそれらの治療に積極的な医師のいる病院などでないと、こういった治療を行っていないのではないかとも推察されます。
助産師会の母乳相談会や助産師会の相談窓口に相談を
このため、機能的な面からも期待が持てず薬物治療を選択したいというお気持ちも十二分に理解できるのですが、まずは各都道府県の助産師会が開催している母乳相談会や、直接助産師会の相談窓口等に一度相談をしてみることを私はおすすめしたいと思います。
産後1ヶ月にも満たない中、桶谷式母乳相談室に3つも出向かれたとのこと、本当に大変だったと思います。
それでも解決しないという状況、本当にお辛かったですね。よく頑張られました。
もしかしたら、相談者様には桶谷式が合わなかったのかもしれません。
助産師にマンツーマンで指導を
私の知人に、精力的に母乳相談を行っている方がいらっしゃるのですが、その方の意見をご紹介します。
「母乳の基本はとにもかくにも吸わすこと。それも、お母さんと赤ちゃん各々に合った「吸わせ方」がある。
抱き方、含ませ方、わく感覚が自分で分かるようになれば、それに応じた飲ませ方を指導できるようになる。さらに、左右のおっぱいを変えるタイミングだってあります。
実際は専門家が付いてまずは飲ませ方を見て教えることが大事です」とのことです。
自分達に合った飲ませ方が見つかるだけでも、乳房は全く違ってくるんだそうです。
なのでまずは、ここまでを助産師の方にマンツーマンで指導をしてもらって、それでも全く効果が見られる気配がなければ、直接助産師の方にそのような治療をしてもらえる病院はないか聞いてみられるのが、一番の近道なのではないかと思います。
それもまた、かなりの労力になろうかと思いますので、あくまでも一つの案としてお聞き頂けたら幸いです。
ミルクでストレスを解消してから再度母乳育児を目指す

ミルクで
ストレスを解消
最後に、母乳にはたくさんのメリットがありますし、ママとしての育児に対する満足感に繋がる大切なものではありますが、赤ちゃんは母乳でなくても元気に育ちます。
ママが、それによって笑顔を失ってしまっては赤ちゃんも心配になってしまい、更なるトラブルを引き起こさないとも限りません。
母乳分泌にはストレスも大敵です。
ミルク育児で赤ちゃんの健やかな成長を確保し、「何とか母乳を出したい」というママのストレスを少しでも軽減し、その後に母乳育児に再挑戦するということも考えてみて下さい。
思い詰め過ぎる事なく、ゆったりとした気持ちで母乳が増えていく為の対策に取り組んで頂けたらと思います。